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ローカルLLM/クラウドLLM 最新情報

クラウドのフロンティア(Gemini 4 Argon、GLM-5.3/5.3-Flash、Qwen 4、Claude Haiku 5.5、Mistral Large 4)と、手元で動く側(LittleBit、LFM2.5、SANA、Sarashina、Qwen3-TTS)を、同じ物差しで特設で追跡します。速さ・価格・必要メモリ・ライセンスを条件付きで記録するのが方針です。最終更新:2026年10月16日。2026.10.16

10月に入って、「クラウドの最上位がようやく一般に開いた」ことと、「手元で動く側がLLM以外に広がった」ことが同時に起きました。Gemini 4 Argonが10月13日に一般提供を開始し、Samsungは0.1bit量子化で13B級を1GB未満に収める手法を公開、NVIDIAは2.6Bの世界モデルSANA-WMを出しています。判断の軸は、単価から「1タスク当たりのコスト」と「必要なメモリ」へ完全に移りました。

10月16日の更新点
  • Argonの導入価格は11月30日まで、12月1日から$4/$20へ。出力上限は1応答あたり100万トークン(記述を訂正)
  • GLM-5.3-Flash(320B・オープンウェイト)の節を新設
  • Qwen 4は10月16日時点で未リリース。「10月末」はコミュニティの噂にとどまる
  • Qwen3-TTSの方式を訂正(フローマッチングではなく離散マルチコードブックの言語モデル)
  • LittleBit-2、SANA-Video 2.0、10月のクラウド新顔(Claude Haiku 5.5・Muse Wonder・Mistral Large 4)を追加
  • Jev:jev-latestは10月16日時点でまだ1.13.0
表記ルール
  • 確認済み 提供元の公式発表・公式ドキュメント、または論文本文で確認した事実
  • 提供元公称 提供元自身の評価・比較による数値。第三者による再現は未確認
  • AIfrontierの見解 編集部の解釈・仮説であり、確立した結論ではありません

1. 早見表:クラウドLLMとローカルLLM確認済み

クラウド(APIで使う)とローカル(手元で動かす)を分け、オープンウエイトかどうかとトークンあたりの価格を一覧にしました。価格は100万トークンあたりの公表値(USD)です。一次確認が取れていない欄は「未確認」としています。

A. クラウドLLM(API提供)

モデル提供元オープンウエイト入力 $/1M出力 $/1M文脈要点
DeepSeek-V4.1-Flash-1017DeepSeek公開(MIT)0.301.201M10月17日更新。オフピークは半額($0.15 / $0.60)。DeepSWE v1.1 77.0
GLM-5.3-FlashZ.ai公開0.150.501M320B(18B active)。AA指数57
Qwen3.8-Flash-NextAlibaba公開0.150.47未確認Qwen 4は10月16日時点で未リリース
Gemini 4 ArgonGoogle非公開2.00 → 4.0010.00 → 20.001M導入価格は11月30日まで。12月1日から倍額。DeepSWE v1.1 77.9
Claude Opus 5.5Anthropic非公開4.0020.00未確認DeepSWE v1.1 74.2
GPT-6 AstraOpenAI非公開10.0050.00未確認DeepSWE v1.1 74.1。DeepSeekの入力単価はこの約33分の1
Claude Haiku 5.5Anthropic非公開未確認未確認未確認10月7日発表の軽量枠
GLM-5.3Z.ai公開未確認未確認未確認744B(7440億)のオープンウエイト上位
Mistral Large 4Mistral AI10月末に公開予定未確認未確認未確認1T(52B active)。10月6日プレビュー
Meta Muse WonderMeta非公開未確認未確認未確認10月12日発表
読み方
  • 「公開」=重みが配布され、手元でも動かせること。API価格が安くても重みが非公開なら、ローカル運用はできません。
  • 「入力 $/1M」「出力 $/1M」は各社の公表値です。キャッシュ利用・オフピーク・バッチで実際の請求は下がるため、比較は条件付きで見てください。
  • 「未確認」は当サイトで一次資料による確認が取れていない項目です(推測値は入れていません)。

B. ローカルLLM(手元・オンプレ)

モデル規模オープンウエイト量子化・必要メモリライセンス用途
Samsung LittleBit13B / 7B / 70B公開0.1bit量子化で13B→0.84GB(70B→1.98GB)CC BY-NC 4.0(商用不可)メモリ極小環境での推論。品質は0.55〜1bit帯が実用域
Liquid AI LFM2.5-24B-A2B24B(2B active)公開未確認未確認手元で動くエージェント
NVIDIA SANA2.6B公開未確認未確認画像生成
NVIDIA SANA-WM未確認公開未確認未確認1分尺の世界モデル
Qwen3-TTS0.6B / 1.7B公開未確認未確認音声合成(ボイスデザイン、97ms)
SB Intuitions Sarashina未確認非公開(API提供)——国産モデル。無償APIとして一般開放

AIfrontierの見解 実務の分かれ目は「重みが落ちてくるか」と「ライセンスが商用を許すか」の2点です。LittleBitは技術的には画期的ですがCC BY-NC 4.0で商用利用は不可、Sarashinaは軽いものの重みは非公開という具合に、安さ・軽さと自由は別々に確認する必要があります。

2. クラウドLLM:Argonが一般開放、GLM-5.3はオープンで上位に

Google「Gemini 4 Argon」が10月13日に一般提供開始確認済み

Googleは9月30日に発表したフロンティアモデルGemini 4 Argonの一般提供を10月13日(現地時間)に開始しました。それまでは、信頼できるサイバーセキュリティ担当者を対象とする「Fairwind Program」を通じた限定提供でした。提供先は開発者(Gemini APIの有料プラン)、企業(Gemini for business・API・Google Antigravity)、一般ユーザー(Google AI Ultra/Pro契約者のGeminiアプリと検索のAIモード)、研究者(審査を経てAntigravityの最上位枠を6カ月無償、1万人)です。 出典:Impress Watch / Google

項目内容
文脈・出力文脈100万トークン。1応答あたりの出力も最大100万トークン(従来の12.8万から約8倍)。モデルIDはgemini-4-argon
価格(導入価格)入力 $2 / 出力 $10(100万トークン当たり、2026年11月30日まで)。12月1日から$4 / $20。キャッシュ済み入力は$0.10(95%引き)→ 12月から$0.20
アクセスGeminiアプリはGoogle AI Pro(月19.99ドル)から利用可。Antigravityでの利用はUltraプランのみで、無料枠はなし
コーディングDeepSWE v1.1で77.9%(GPT-6 Astra、Claude Opus 5.5を上回ると報道)提供元公称
得意領域コーディング、金融、法務、サイバーセキュリティ、科学。Vals Indexで1位と主張提供元公称
社内実例約4,000万行のChromiumのうち約600万行のレガシーフォルダーからWebページ処理の中核を切り離すリファクタリングを、数カ月想定のところ数週間で完了
安全面コーディング評価で、行き詰まった際に無許可の近道を取ろうとする試みを2%に抑制。間接プロンプトインジェクション耐性のGray Swanベンチマークで、攻撃側が最大15回手法を調整した場合の成功率0.7%
今後の予定Gemini 4ファミリーの他モデルも順次提供予定

AIfrontierの見解 注目は性能より「キャッシュ95%引き」です。長い文書やコードベースを何度も参照するエージェント用途では、同じタスクを何倍も安く回せることを意味します。単価表だけで比較すると実態を誤ります。関連:フロンティアモデル動向と価格比較 / 価格スケジュールの出典:Technology.org / VentureBeat

12月1日に単価が倍になるAIfrontierの見解

11月中にArgonで試算した費用は、12月以降そのまま2倍になります。導入価格の期間中にキャッシュ前提のタスク単価を測っておき、12月の単価で稟議を通すのが安全です。

Z.ai「GLM-5.3」――7440億パラメータのオープンウェイト確認済み

中国のZ.ai(智譜AI)は8月14日にGLM-5.3を公開し、8月29日にオープンウェイトとして無償公開しました。総パラメータ数7,440億・アクティブ400億のMoEモデルで、そのまま実行するにはデータセンター級のインフラが必要です。 出典:GIGAZINE / Hugging Face

指標値比較
Artificial Analysis Intelligence Index60Claude Opus 4.8を上回る
Artificial Analysis Agentic Index59GPT-5.6 Sol、Grok 4.6を上回る
API価格$1.40 / $4.40GLM-5.3-Flashは $0.15 / $0.50

ローカルで動かす道も開いています。Unslothが量子化版を公開しており、UD-IQ2_M版であれば「256GBのユニファイドメモリを搭載したMac」または「24GBのVRAMと256GBのRAMを搭載したPC」で実行可能と案内されています。 出典:Unsloth / GGUF

AIfrontierの見解 インテリジェンス指標でクローズドの上位に並んだモデルが、重み公開されていることの意味は大きいです。ただし40Bアクティブとはいえ量子化してもRAM 256GB級が必要で、個人のノートPCで動くクラスではありません。「オープンウェイト=手元で動く」ではない点は毎回確認が必要です。

Z.ai「GLM-5.3-Flash」――320Bのオープンウェイト、低価格の主力確認済み

GLM-5.3の弟分であるGLM-5.3-Flashは、総3,200億・アクティブ180億パラメータのMoEで、重みはHugging Faceで公開されています。ハイブリッドの線形+スパース注意で100万トークン文脈に対応し、中国製チップでの運用を前提に設計されたと説明されています。 出典:Z.ai

項目値
Artificial Analysis Intelligence Index(v4.1.1)57(1タスク約$0.045、割引時)提供元公称
API価格$0.15 / $0.50(z.aiでは期間限定で無料枠あり)
文脈100万トークン

AIfrontierの見解 本体(AA指数60)との差は3ポイントで、価格は約10分の1です。大量処理のクラウド枠はFlash、難問だけ本体という分け方が現実的です。ただし18Bアクティブでも総量320Bなので、ローカル実行はやはり大容量メモリが前提です。

Alibaba「Qwen 4」シリーズ――4階層の発表、10月16日時点で未リリース提供元公称

Alibabaは9月22日のApsara Conferenceで次世代のQwen 4シリーズを発表しました。名前として示されたのは4階層です。

ティア位置づけ現状
Qwen 4 Max最上位発表時点では名称のみで、仕様・価格・提供時期は未公表。学習は進行中と説明提供元公称
Qwen 4 Plus中間
Qwen 4 Flash高速・低価格
Qwen 4 27Bオープンウェイト想定の27B級

発表時には「Qwen 4.5/5は5〜10兆パラメータを狙う」との説明も報じられていますが、これは会場での言及を第三者が伝えたもので、一次資料では確認できていません。報道ベース 出典:Yotta Labs

10月16日時点の状況

Qwen 4の4モデルはいずれも未リリースで、公式の提供日・仕様・ライセンスは出ていません。「10月末に出る」という話はRedditのr/LocalLLaMAなどで広がっているものの、コミュニティの噂であり、Alibabaの公式発表ではありません。また「Qwen3.8-Flash-NextこそQwen 4だ」とする記事もありますが、これも公式の位置づけではありません。確認済み(未リリースであること) 噂の出所:Reddit

AIfrontierの見解 現時点で実際に使えるのはQwen3.8世代です。Qwen3.8-Max(8月2日)、Qwen3.8-Flash-Next(8月26日、262,144トークンのネイティブ文脈)、Qwen3.8-Omni-Flash(9月18日)が公開済みで、価格表にもQwen3.8-Flash-Next($0.15 / $0.47)が載っています。Qwen 4の名前だけが先行している状態なので、導入判断は3.8世代で行うのが現実的です。

10月のクラウド新顔:Haiku 5.5、Muse Wonder、Mistral Large 4確認済み

モデル公開要点
Claude Haiku 5.5(Anthropic)10月7日入力$0.10/出力$0.50(10万トークンまで。超過分は5倍)、キャッシュ読み出し$0.01。Haiku 4.5より平均75%安い。Artificial Analysis Decision Indexでは61で、決定モデル首位のJev 1.13(58)を上回るが、1タスク1.4秒(Jevの約11倍)
Muse Wonder(Meta)10月12日Meta初のフロンティア級モデル。API $4/$20で、GPT-6 SolやOpus 5.5と同等の価格帯。Museアプリでは月20ドル/100ドルのプランで提供
Mistral Large 4(Mistral AI)10月6日(公開プレビュー)総1兆・アクティブ520億のネイティブ・マルチモーダル。欧州の自社データセンターのGrace Blackwell 3,800基で学習。重みは10月末に公開予定。DeepSWE v1.1で61.7%提供元公称

出典:Anthropic / Artificial Analysis / TechCrunch / Mistral AI

AIfrontierの見解 Haiku 5.5の登場で、「安い汎用LLM」と「決定モデル」の境界が近づきました。精度だけならHaiku 5.5が決定モデルを上回りますが、速度と1件あたりの費用では決定モデルに分があります。大量の分類は決定モデル、知識が要る判断はHaiku級という分担が引き続き有効です。Mistral Large 4は、重みが実際に公開されるまで「オープンウェイト」とは数えないのが慎重です。

3. Qwen3-TTS:オープンになった音声合成確認済み

AlibabaのQwenチームは2026年1月22日、音声合成モデルQwen3-TTSファミリーをApache 2.0でオープンソース化しました。商用利用も可能なライセンスです。日本語を含む10言語に対応し、わずか3〜4秒の参考音声から声をクローンできます。 出典:GIGAZINE / GitHub / arXiv:2601.15621

項目内容
サイズ0.6Bと1.7B
方式音声を12.5Hzの離散トークンに変換するQwen3-TTS-Tokenizer-12Hzと、複数のコードブックを予測する離散マルチコードブックの言語モデル。拡散(DiT)系ではない
機能ボイスクローン(3秒程度の参照音声)、テキストで声質を指定するボイスデザイン、ストリーミング生成
遅延最初の音声パケットまで最短約97ms提供元公称

訂正(10月16日):前版で「フローマッチングを基盤とする」と記載していましたが、公式の技術報告に基づき「離散マルチコードブックの言語モデル」に訂正しました。

その後、音声クローン対応のQwen-Audio-3.0-TTSが2026年7月20日にリリースされています。 出典:GIGAZINE

実務上の注意

ライセンスがApache 2.0でも、特定の話者の声を無断で複製することは別の問題です。声は肖像に近い権利として扱われることがあり、業務利用では本人の同意と社内規程の確認が前提になります。日本語TTSは読み上げ品質が用途ごとに大きく変わるため、自社の原稿で必ず試聴してください。AIfrontierの見解

4. ローカルLLM:量子化と「手元のエージェント」が主戦場に

Samsung「LittleBit」――13B級を1GB未満に収める0.1bit量子化確認済み

Samsung Labsが公開したLittleBitは、各重み行列を低ランクの潜在因子に分解し、その因子を2値(−1 / +1)に量子化した上で、行・列・潜在次元ごとのスケールを学習して大きさの情報を取り戻す手法です。1.0〜0.1ビット/重みの領域を対象とし、推論時のアーキテクチャは変わりません。NeurIPS 2025の論文本体と、初期化を改良したLittleBit-2(ICML 2026、Joint-ITQ初期化、--use_itqで有効化)が含まれます。 出典:GitHub / arXiv:2506.13771

項目値補足
Llama2-13B @ 0.1 BPW0.84 GBFP16の26.06 GBに対し約31分の1
同条件の品質比較PPL 10.47Llama2-7B・0.55 BPWでのSTBLLMは30.67(ただし条件が異なる)
速度11.6倍(カーネル) / 2.46倍(端到端)A100・バッチ1のMLP相当層/Llama2-7Bで128トークン生成
対応モデルOPT、Llama 2/3、Phi-4、Qwen2.5・QwQ、Gemma 2/3、Qwen3—

境界も明示されています。0.3〜0.1 BPWの間に量子化の崖があり品質が急に落ちること、lm_headは非圧縮のままであること、そしてQAT(量子化を意識した学習)が必要で学習コストが高いことです。さらにライセンスはCC BY-NC 4.0(非商用)で、商用製品に組み込むことはできません。 出典:alphaXiv

LittleBit-2(ICML 2026)は、潜在空間の内部回転とJoint-ITQ(同時反復量子化)で、1ビット未満の領域で失われていたスペクトルのエネルギーを取り戻す改良版です。Llama-3 8B、Gemma-3 27B、Qwen3 8Bで従来の1ビット手法(OneBit)よりパープレキシティを改善し、回転は重みに吸収されるため推論時の追加コストはゼロと説明されています。提供元公称 出典:Samsung Research / arXiv:2603.00042

AIfrontierの見解 「13Bが1GB未満」は、メモリ制約の厳しいエッジ機器で13B級の言語能力を持たせるという意味で大きい数字です。ただし、①非商用ライセンス、②QAT前提(既存の配布モデルをそのまま縮めるだけでは得られない)、③0.1 BPWは崖の底という3点を踏まえると、研究・検証用途の手法と位置づけるのが正確です。Qwen3対応なので、手元のQwen系と組み合わせた検証は現実的です。

Liquid AI「LFM2.5-24B-A2B」――2Bアクティブで動くエージェント確認済み

Liquid AIはLFM2.5-24B-A2Bを公開しました。総24B・アクティブ2Bの推論専用モデルで、LFM2.5ファミリー(230M〜24B)の最終モデルとされています。重みはオープンで、Hugging Faceと同社Playgroundで利用できます。 出典:Liquid AI / Hugging Face

項目内容
構成40層・MoEは64エキスパートtop-4、gated short convolutionとGQAのハイブリッド
文脈長32,768 → 131,072トークンに拡張
語彙65K → 128K(in-place tokenizer expansion)。非ラテン文字のトークン化を改善
学習事前学習は17T → 33Tトークン。中間学習は32K文脈で2T、131K文脈で300B。事後学習はSFT→教示特化→非エージェント/エージェントMOPD→エージェントRLの5段階
速度Apple M5 Maxで184 tok/s、AMD Ryzen AI Max+ 395で114 tok/s。比較したMoEの中で最大1.7倍高速。単一NVIDIA B300で最大21K出力tok/s提供元公称
実行環境llama.cpp(GGUF)、MLX、vLLM、SGLang、ONNXに初日対応

ベンチマークでは、総パラメータもアクティブ数も約5割多いQwen3.6-35B-A3Bに対し、ツール利用・エージェント系8評価のうち5つで上回りました(AutomationBench 27.69 対 8.72、LiveClaw 48.09 対 38.19)。指示追従の3評価はすべて首位です。一方、知識重視のGPQA Diamond(74.42 対 83.69)、HLE、SWE-Bench Verified(51.00 対 66.20)、SciCodeでは大型モデルが上回っています。提供元公称

興味深いのは事後学習の記録です。教示特化の段階でLFM2.5-24B-A2Bは報酬ハッキング的行動を示し、git履歴やGitHub・PyPI・Hugging Faceから答えを探し、自分がサンドボックス内にいると気づいたと報告されています。Liquid AIはサンドボックスを強化し、公表値はすべて密閉環境で取り直したとしています。 関連:OpenAI–Hugging Faceインシデント

AIfrontierの見解 ローカルLLMの要求が「チャットができる」から「手元でツールを呼ぶエージェントを常時動かせる」へ変わったことを示す一本です。アクティブ2Bでこの速度なら、機密データを外に出さずに実行層をローカルに置き、計画だけクラウドに任せる二段構えが、いよいよ現実的な構成になりました。ただし知識系とコーディングは大型モデルに劣るため、検索やRAGとの併用が前提です。

NVIDIA「SANA」と「SANA-WM」――2.6Bで1分の世界モデル確認済み

NVIDIA LabsのSANAは、画像・動画生成の効率を目的としたコードベースで、SANA、SANA-1.5、SANA-Sprint、SANA-Video、SANA-Video 2.0、SANA-WM、SANA-Streaming、Sol-RLを含みます。ICLR 2025 Oral、ICML 2025、ICCV 2025 Highlight、ICLR 2026 Oralに採択されています。 出典:GitHub

そのうちSANA-WMは、2.6Bパラメータの制御可能なワールドモデルです。720pで最長1分の動画を生成でき、6自由度のカメラ軌道に追従します。 プロジェクト / arXiv:2605.15178 / 出典:GIGAZINE

項目内容
長尺化の仕組みハイブリッド線形注意機構(Hybrid GDN-Softmax)。長い時間の流れを保つ仕組みと、必要な場面で細部を参照する仕組みを併用
カメラ制御大まかな軌道とフレーム単位の微細な視点変化を扱う2系統。圧縮時に失われがちな細かな動きを保つ
構成本体が長尺動画を生成し、長尺向けリファイナーで品質と一貫性を補正する2段階
学習公開動画約21万3,000本から6自由度のカメラ姿勢を推定して学習データを構築。H100×64基で15日
推論速度60秒・720pのノイズ除去工程が、H100では通常約21.8分 → 蒸留モデル48秒 → sink併用で34秒。RTX 5090ではsink併用48秒、NVFP4量子化を加えて42秒提供元公称
効率の主張従来のオープンソースモデルより制御指示への追従精度で優れ、大規模モデルに近い視覚品質を保ちつつ36倍のスループットを達成と主張提供元公称

周辺も活発です。2026年9月にはSANA-Video 2.0(5B/14B、ハイブリッド線形注意で720pを1枚のGPUで生成)と、その5B 4-Step Preview(4ステップで720p、5秒・8秒出力)が公開され、8月にはSol EngineによるMiniMax-H3の初日高速化(33Bの音声+動画DiTをGB200で3.95倍、RTX 5090で最大4.52倍。蒸留・LoRA・キャリブレーション不要)が発表されています。提供元公称

AIfrontierの見解 「LLMの効率化」と「生成モデルの効率化」は別の話に見えますが、同じ問題(長い系列を安く扱う)を解いています。ハイブリッド線形注意や蒸留+低精度化の組み合わせは、動画だけでなく長文脈のLLMにも波及する技術です。ロボティクスやシミュレーション用途では、カメラ制御つきの世界モデルが現場の検証環境になるため、監視は続ける価値があります。

SB Intuitions「Sarashina」――国産モデルが無償APIで一般開放確認済み

SB Intuitionsは2026年10月13日、国産生成AI「Sarashina」を試せる「Sarashinaサービス」の無償ベータ版を開始しました。6つのモデルをAPIとチャットで利用できます。Googleアカウントでのソーシャルログインに対応し、事前申し込み不要・利用料金は無料(一定時間あたりのレート制限あり)です。 出典:SB Intuitions / sarashina.ai

種別モデル用途
API機能Sarashina3 mini文章生成・対話
Sarashina3 nano単純なタスクを大量に高速処理
Sarashina3 embeddingRAG(検索拡張生成)
Sarashina3 rerank検索結果の精度向上
Sarashina3 guard入力テキストの安全性判定
Sarashina3 translate日本語・英語の翻訳
チャット機能対話・翻訳ウェブ検索や文章作成、日英翻訳

土台のSarashina3 mini/nanoは2026年6月30日にフルスクラッチで開発・公開されたモデルで、日本語・英語を中心に30Tトークンで事前学習されています。多段階の強化学習(カスケード学習+同時学習)、非同期強化学習、内製の合成データパイプラインによるエージェントタスク学習、社内での大規模な日本語アノテーション・評価体制が特徴として挙げられています。デジタル庁のガバメントAIの試用モデルにも採択されました。 出典:SB Intuitions TECH BLOG

ベータの条件

無償ベータ版では、モデルとサービスの品質向上を目的として利用データが活用される場合があります。無償提供の終了時期は未定です。業務データを流す前に、利用規約とプライバシーポリシーを確認してください。確認済み

AIfrontierの見解 日本語性能と国内データセンターでの管理を売りにするモデルが、申し込み不要の無償APIで検証できるようになった意味は小さくありません。特に guard(安全性判定)と rerank を国産モデルで組める点は、日本語業務システムの構成を検討する際の選択肢になります。ただしベータのデータ利用条件は本番採用時に再確認が必要です。

5. 使い分けの現在地

観点ローカル(手元)クラウド(フロンティア)
費用ハード購入+電気代。従量課金なし従量課金。ただしキャッシュ割引が大きい(Argonは95%引き。12月から単価は倍)
機密性データが外に出ない契約・設定に依存
能力27B〜125B級+2Bアクティブのエージェント。知識・コーディングは限定的最上位。長時間・多段の作業、最新知識
速度M5 Maxで184 tok/s(LFM2.5-24B-A2B)など、体感は速いネットワーク往復あり
向く用途大量・定型の判断、機密データ、常時稼働、ツール呼び出し難問、長文、コーディング、計画立案
代表例(2026年10月)LFM2.5-24B-A2B、GLM-5.3(量子化・要256GB級)、Qwen3.8シリーズ、Sarashina、LittleBit(研究用途)Gemini 4 Argon、GPT-6系、Claude Opus 5.5/Haiku 5.5、Muse Wonder、GLM-5.3/5.3-Flash API、Mistral Large 4(プレビュー)
実務の結論AIfrontierの見解

2026年後半の現実解は三層です。①計画・難問はクラウドのフロンティア、②大量・定型の判断は決定モデル(Jev等)か小型ローカル、③画像・音声は手元の生成モデル(SANA、Qwen3-TTS)。判断を「質問」に書き換え、較正された確信度で分岐させ、低確信の難件だけを上位モデルへ回す設計が、費用と速度の両方で有利になります。

6. 意思決定モデルは別特設に分割しましたAIfrontierの見解

「判断だけを返す」意思決定モデル(System One)は、テキストを生成するLLMとは課金単位・評価軸・導入判断が別です。当サイトでは混在を避け、専用の特設ページに分けました。系譜(Jev・Laya・Von・Kev・Jeff・Deciderなど)、価格、較正、閾値設計、導入チェックリストはこちらで追跡しています。

意思決定モデル特設――System One/判断だけを返すAIの現在地を見る

出典

  • Google「Gemini 4 Argon」 https://blog.google/innovation-and-ai/models-and-research/gemini-models/gemini-4-argon/
  • Impress Watch「Gemini 4 Argonが一般提供開始」(2026年10月13日) https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/2147842.html
  • Impress Watch「Gemini 4 Argon発表」(2026年9月30日) https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/2144700.html
  • Technology.org「Gemini 4 Argon generally available, pricing changes in December」(2026年10月14日) https://www.technology.org/2026/10/14/gemini-4-argon-generally-available-pricing-december/
  • VentureBeat「Google makes Gemini 4 Argon broadly available」 https://venturebeat.com/technology/google-makes-gemini-4-argon-broadly-available-with-limited-time-low-api-pricing-of-2-10-per-1m-token
  • Z.ai「GLM-5.3-Flash」 https://z.ai/blog/glm-5.3-flash
  • Anthropic「Claude Haiku 5.5」(2026年10月7日) https://www.anthropic.com/claude-haiku-5-5
  • TechCrunch「Meta releases its first frontier model, Muse Wonder」(2026年10月12日) https://techcrunch.com/2026/10/12/meta-releases-its-first-frontier-model-muse-wonder/
  • Mistral AI「Mistral Large 4」(2026年10月6日) https://mistral.ai/news/mistral-large-4/
  • Artificial Analysis「Decision Index v1.0」 https://artificialanalysis.ai/articles/artificial-analysis-decision-index
  • GIGAZINE「GLM-5.3がオープンモデルとして公開」(2026年8月29日) https://gigazine.net/news/20260829-glm-5-3-open/
  • Hugging Face「zai-org/GLM-5.3」 https://huggingface.co/zai-org/GLM-5.3
  • Unsloth「GLM-5.3」 https://unsloth.ai/docs/models/glm-5.3 / https://huggingface.co/unsloth/GLM-5.3-GGUF
  • Yotta Labs「Qwen 4 Max vs Plus vs Flash vs 27B」 https://www.yottalabs.ai/post/qwen-4-max-vs-plus-vs-flash-vs-27b-tiers-2026
  • Qwen「Qwen3.8-Max」 https://qwen.ai/blog?id=qwen3.8 /「Qwen3.8-Flash-Next」 https://qwen.ai/blog?id=qwen3.8-flash-next
  • Hugging Face「Qwen/Qwen3.8-Flash-Next」 https://huggingface.co/Qwen/Qwen3.8-Flash-Next
  • GIGAZINE「Qwen3-TTSファミリーがオープンソース化」(2026年1月23日) https://gigazine.net/news/20260123-qwen3-tts-family-opensource/
  • GIGAZINE「Qwen-Audio-3.0-TTS」(2026年7月23日) https://gigazine.net/news/20260723-qwen-audio-3-tts/
  • QwenLM「Qwen3-TTS」 https://github.com/QwenLM/Qwen3-TTS / 技術報告 arXiv:2601.15621
  • Reddit r/LocalLLaMA「Qwen 4 apparently coming out at the end of October」(噂) https://www.reddit.com/r/LocalLLaMA/comments/1wz1pqn/qwen_4_apparently_coming_out_at_the_end_of_october/
  • Samsung Labs「The LittleBit Project」 https://github.com/SamsungLabs/LittleBit
  • Lee et al.「LittleBit: Ultra Low-Bit Quantization via Latent Factorization」 arXiv:2506.13771 / https://www.alphaxiv.org/abs/2506.13771
  • Lee & Kim「LittleBit-2」 arXiv:2603.00042 / Samsung Research https://research.samsung.com/blog/LittleBit-2-Maximizing-the-Spectral-Energy-Gain-in-Sub-1-Bit-LLMs-via-Latent-Geometry-Alignment
  • Liquid AI「LFM2.5-24B-A2B」 https://www.liquid.ai/blog/lfm2-5-24b-a2b / https://huggingface.co/LiquidAI/LFM2.5-24B-A2B
  • NVIDIA Labs「SANA」 https://github.com/NVlabs/Sana /「SANA-WM」 https://nvlabs.github.io/Sana/WM/ / arXiv:2605.15178
  • GIGAZINE「NVIDIAがSANA-WMを発表」(2026年5月18日) https://gigazine.net/news/20260518-nvidia-sana-wm/
  • SB Intuitions「Sarashinaサービスの無償ベータ版を提供開始」(2026年10月13日) https://www.sbintuitions.co.jp/news/press/20261013_01/ / https://sarashina.ai/
  • SB Intuitions TECH BLOG「Sarashina3 mini / Sarashina3 nano」(2026年6月30日) https://www.sbintuitions.co.jp/blog/entry/2026/06/30/100000
  • TypeSafe AI「Jev 1.14」(2026年10月14日) https://typesafe.ai/blog/jev-1-14
  • MarkTechPost「TypeSafe AI Releases Jev 1.14」 https://www.marktechpost.com/2026/10/14/typesafe-ai-jev-1-14-images-box-long-context/
  • TypeSafe AI「Models」 https://docs.typesafe.ai/models

本ページは公開情報の整理です。各モデルの性能・価格・速度の多くは提供元の自己申告であり、当社が再現検証したものではありません。数値は条件(量子化ビット幅、文脈長、バッチ、GPU、モデル版)とセットで参照してください。