中国関連資金を使う財政援助は、米国市民学生を排除していないか
米司法省公民権局は、ハーバード大学の中国関連資金を活用した財政援助プログラムが、公民権法第6条(Title VI)に抵触する可能性があるとしてコンプライアンス・レビューを開始しました。焦点は、外国資金の条件が「特定国の学生を優先する」形になっていないか、という点です。
開示義務
高等教育法 Section 117 により、年間25万ドル超の外国寄付・契約は報告対象。
資金規模
ハーバードは外国資金約45億ドルを開示し、中国由来は6.3億ドル超と最大。
争点
国籍に基づく優先があれば、Title VI 違反に発展する可能性。
司法省は、ハーバードの開示資料を監査した結果、中国拠点の資金提供者による条件付き資金に懸念を示しました。公表文では、特定の国の学生に優先権を与える財政援助プログラムの設置・支援が条件になっているケースがあると指摘しています。
公民権局は結論を出したわけではなく、現段階ではあくまで調査開始です。ただし、連邦資金を受ける大学が外国資金の条件に従って米国市民学生を不利に扱っていれば違法になり得る、という強いメッセージが込められています。
Harvard Crimson が伝えた大学側コメントでは、ハーバードは報告義務を遵守しており、財政援助の配分で人種・民族・出身国に基づく違法な差別は行っていないと反論しています。つまり争点は、外国資金の条件が実際の運用にどう反映されたのか、そして Title VI 上どこまで「国籍差別」と評価されるのかです。
この案件は単なる大学内規の問題ではなく、米中対立が高等教育資金・人材育成・研究ネットワークの領域にまで広がっていることを示しています。教育省による外国資金やキャンパス問題をめぐる別調査とも重なり、ハーバードに対する連邦政府の圧力は複線化しています。